文芸同人誌案内掲示板

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受贈御礼 - ひわき

2025/05/31 (Sat) 11:18:57

紹介する10誌を戴き、ありがとうございます。


●「北斗」五月號(名古屋市西区)は小説2編と短歌、エッセイ、評論ほかを掲載。「誌友」として長く関わってこられた下林益夫さんの訃報が報告されています。また同誌は「現代女性文化研究所」など複数の雑誌の会員になっておられるそうで、「域外の交友から刺激を受けるのは貴重」と記されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

●「龍舌蘭」第214号(宮崎市清武町)は小説3(うち1編は旧作再掲)と詩、随筆ほかに加え、「追悼-南邦和-」と題して岡林稔さん「『龍舌蘭』と南邦和氏」・仁志幸さん「『引揚者』南邦和を偲んで」を掲載。「旧作再掲」は鮒田トトさん「犬猫降りの日」です。渡邊眞美さんによる「解題」も興味深く、懐かしく拝読しました。

●「ぱさーじゅ」第47号(大阪市北区)は葉篇小説集のほか11作品を掲載。「葉篇小説」とは島尾敏雄が短編集の副題に使った名称で、「チョコレート」「お花見」「夏休み」「月」を共通テーマとして創作した18作品が並んでいます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

●「海峡派」第163号(北九州市八幡西区)は小説8編と詩、読書日記、エッセー、語り本を掲載。昨年の創刊50周年祝賀会開催時に贈られた吉貝甚蔵さん(「季刊午前」所属)の「『海峡派』50年に寄せる寿歌」が特別寄稿として掲載されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

●「私人」第113号(東京都新宿区)は6作品ほかを掲載。荒唐無稽さん筆「編集後記」に創作代行料金相場が載っています。短編小説10~20万円、中編50~80万円、長編100万円以上とのこと。どんな人が依頼するのでしょう。社会での成功者が自分史を大河ドラマ風にとか、まさか新人賞応募はないでしょう。いずれにしても「創作」という最も大きな楽しみを手放しているように思えます。

●「詩と眞實」No.912、6月号(熊本市中央区)はノンフィクション、詩、随筆を掲載。ノンフィクションは荒牧邦三さん作「殉空に散る」です。「B29阿蘇北で空中戦、降下米兵、地上の惨劇、戦後80年、”戦時狂気”の現場を訪ねる。」とあり、写真や目撃証言など貴重な資料をもとに詳しく書き込まれています。「九州大学生体解剖事件」はよく知られていますが、その事件とつながってゆく経緯など、読み応えがあります。

●「火山地帯」第214号(鹿児島県鹿屋市)は12作品を掲載。立石さんが「編集後記」で「文壇や出版社の編集者におもねることなくやってきたのが同人誌、文学に時流というものがあるとすればそれに抗ってわが道を行くのも面白い。」と記されています。「同人誌存在の意味」など気になっている私にとって心強いご意見です。「九州・沖縄同人誌傑作選」(花書院)の紹介もされています。

●「絵合せ」第11号(福岡市西区)は小説4編と随筆ほかを掲載。「編集後記」では筆者の恩師をはじめとする周囲の方がたへの感謝が述べられています。

●「筑紫山脈」第46号(福岡市西区)は小説2編とエッセー等他を掲載。「一期一絵~フォトエッセー~」では熊谷きよさん著『青い目の人形大使と渋沢栄一』と『九州・沖縄同人誌傑作選』(花書院)を紹介しています。同人誌傑作選には同誌36号掲載の村上宏子さん作「しょっぱい骨」が載っています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

●「あるかいど」第78号(滋賀県大津市)は小説7編と詩、エッセイを掲載。「文学フリマ」出店を再開され、ある同人の作品が掲載された号があるか訊かれたそうです。わざわざ訊ねられたら、うれしいですね。コロナ禍で中止になっていた合評会合宿を再開とのこと。みなさんの仲良しぶりがうかがえます。

Re: 受贈御礼 - kaikyoha

2025/06/02 (Mon) 22:22:12

ひわき様
いつもお世話になっております。
「海峡派」のご紹介、ありがとうございます。

全国同人雑誌協会「ニュースレター2025.5月」全国同人人雑誌評 わだしんいちろう

2025/05/28 (Wed) 10:06:08

ひわき様、ご無沙汰しています。同人雑誌評を紹介します。

 全国同人雑誌評
                    和田伸一郎

 同人雑誌の魅力とは?と問われれば、すべてが個性的で、似たような同人雑誌がほとんどないことだろう。そこには多種、多様な作品が掲載されている。昨今、エンタメ系に押されている商業文芸誌と違い、時代に流されず、かたくなまでに己の心情をつらぬいている。
 ただ弱点は、横の連携がほとんどないことだ。発信力に乏しく、他誌についての情報が入ってきにくい。だから他誌を積極的に読む気にならないため、読者が限定されてしまう。かくいう私自身も、同人雑誌評を担当していなければそういう状態でいただろう。
 今回、『文芸思潮』から9冊送られてきた。初めて知る同人誌もあれば、名前だけ知っていても読んだ経験がないものも数冊あった。
『朝 46号』(東京都)は小説の力作が並び、特集は「今度生まれ変わるとしたら……」。
「月の石」吉田 陣は「同棲するなら挨拶に来てほしいってお父さんが言ってるの」と恋人に言われて、現在33歳、無職のおれの人生が語られていく。大学卒業後テレビ番組制作会社で契約社員で働いていたが嫌気がさし、24歳で陸上自衛隊に入隊する。それらの体験がニヒルな目でこと細かく描かれ、読者を引き付けていく。結末で実際恋人の家を訪ねた場面が描かれてあり、短篇の構成としてもうまく展開されている。
「フィルター」美多来紀穂は、上質な甘さを感じさせるメルヘンタッチな作品だ。「進行性の眼病が発覚したのは小学5年生の時」だった「私」は、年齢とともに進行し、失明を覚悟して、心の準備をしていた。その「私」に突然ドナーが現れ、角膜手術をすることになった。手術後、はっきり見える世界に戸惑う。そしてドナーの角膜の記憶に導かれて、ドナーの母親と出会い、若くして亡くなったドナーのことを知るという物語だ。
「おばあちゃん永逝」松田祥子は、日記形式で「私」の祖母が亡くなる前後が描かれている。「テレアポの会社が潰れて、ダメもとでホテルのフロントの面接を受け」て入社した「私」。既婚者の「よっちゃん」と付き合っている。「五十三歳の男にとって、三十八歳の女はどれくらい価値のあるものだろうか。」と心配し、自信がない「私」の心理がコミカルな哀愁を誘う。
『飢餓祭 52号』(奈良県)は小説中心な同人誌。
「暗(くらがり)峠(とうげ)を越えて」森口順子は、高校時代の「新年恒例の耐寒訓練の日」の主人公「美和」の思い出から描かれていく。好きな男子を麻衣子にとられ、独身のまま33歳になって、偶然好きだった男子と出会う。麻衣子のことを聞くと、今は車椅子生活だという。麻衣子に会ってくれと頼まれ、しぶしぶ麻衣子を訪ねる、というような女の奇妙な友情物語。
「ジャイアンツ」奈良敦子は、「あゆ」は70代後半。国立大学の社会人受講生で大学生に交じり受講している。昼弁当を先生に持参したり、男子学生に菓子パンを「食べて!」と差し出したりしている。そして映画「ジャイアンツ」の感想が長々と語られる。リズミカルな文体はコミカルで、小気味よさがある。
『文芸中部 128号』(愛知県)小説作品を中心に随筆、詩がはさまれている。特集は、「私の一番好きな本」。
「幸儒(こうじゅ)の木」大西真紀は、不思議な世界を描いている。「わたし」は、二十代半ばで祖母の妹との二人暮らし。趣味と実益を兼ねて香水や練香を製作していた。身長一メートル十五センチの小人で、ずっと差別されてきた。ある日、資産家の令嬢の代理が訪ねてきて、研究室で香水を作ってほしいと誘われた。そこは英虞湾に浮かぶ幸儒島だった。そこにはいろいろな小人症の人たちが集められていた。「わたし」はその令嬢に恋をするが、令嬢は他の小人が好きで「あなたに興味を持つことはない。これからも」という……。
『ガランス 32号』(福岡県)ガランスとはフランス語であかね、あかね色という意味。六篇の小説が並ぶ。
「阿蘇を駆ける馬」野原水里は、絵画が好きな読者におすすめである。短大卒業後、絵を売る会社に入社した「わたし」は売り上げがなかなか上がらない。三年目にスーパーでリトグラフを売るという企画のアシスタントに指名された。そこに来た弱視の老婦人と会話して売ることができた。こうしたやりとりを通じてしっとりとした感動を醸し出している。
『照葉樹 二期 27号』(福岡県)小説。随筆、俳句、詩と多彩な作品が並ぶ。
「幸せのパズル3」水木 玲は、ポーチを拾って交番に届けると、今朝生き倒れた男のものだったと分かる。その男は「餓死を希望されて食事を摂られていません」ということだった。そこでおせっかいをして生きる意欲を取り戻させてやるという現代風おとぎ話。巧みな展開で読者を引きこんでいく。
『AMAZON 528号』(兵庫県)驚きの号数だが、一九六二年から年6回発行しているためだ。その功績が称えられ、2年前に第2回全国同人雑誌賞を受賞している。詩、小説、エッセイ等が並ぶ。例会通信には、合評録が載っている。
「後期高齢者がゆく(2)」豊澤 廣は、「呉竹光彦は、以前から精神科で軽いうつ病、および不安神経症と診断されている。」カウンセラーに「それでどう改善されたいのでしょう」と聞かれ「ズバリ、エッチしたい。私とできますか」と暴言を吐くが、公然と無視される。入院してからは看護師たちから「扱い難い患者」という悪評を得る。介護の裏面を描いていて面白く読んだ。

Re: 全国同人雑誌協会「ニュースレター2025.5月」全国同人人雑誌評 - ひわき

2025/05/31 (Sat) 07:38:07

わだしんいちろうさんへ
書き込みをありがとうございます。
「自分の作品は読んでもらいたいけれど、他の人の作品は読まない」という同人誌作家が多い中で、同人雑誌評の存在は貴重です。地道に読み込んでおられる評者の活動に感謝しています。

同人誌評 - ひわき

2025/05/06 (Tue) 16:55:45

「西日本新聞」5月6日(火)朝刊「西日本文学展望」茶園梨加氏筆
題「昭和戦後期」
冒頭、有馬学さん著『日本の歴史第23巻 帝国の昭和』(講談社、2020年)について言及
木下恵美子さん「ブラックスワン」(「詩と眞實」910号、熊本市)、岩崎美枝子さん『清らかな川の町 花街の小さな女戦士」(福岡県人権研究所)「文芸福岡」・「リベラシオン」発表作品を含む
矢和田高彦さん「ホタル狩り」・米本智恵さん「猫にたい焼き」(ともに「文芸山口」380号、山口市)、宮川行志さん「婆ちゃん画家「シスコさん」」(「詩と眞實」910号)

受贈御礼 - ひわき

2025/04/30 (Wed) 20:32:33

紹介する7誌を戴き、ありがとうございます。

●「樹宴」第28号(東京都葛飾区)は小説9編を掲載。新たに静岡県在住の渡邊健一さんが参加されました。渡邊さんは「静岡近代文学」などでも活躍されているそうで、他にも地域や所属を超えて作品を発表する方が方おられます。同人誌間の交流はあまりないようですが、このようにして広がってゆけばいいですね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

●歴史・時代小説アンソロジー「茶話歴談」第七号(大阪府堺市)は6作品を掲載。昨年12月に開催された「文学フリマ39」で、一人で来られた方が創刊号から6号までを一括購入されたそうです。「飛び切りの朗報」と紹介されています。若い新入会員のご参加もあったとのこと。今年も朗報がありますように。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

●「南風」第57号(福岡市早良区)は小説4編とエッセイに加えて「追悼 松本文世さん」を掲載。松本さんは創刊当時からのメンバーで享年99歳。千葉県に移られてからも毎号、エッセイを発表しておられました。3名の方の追悼文は松本さんのお人柄とともに本誌のこれまでが綴られています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

●「詩と眞實」5月号N0.911(熊本市北区)は小説2編と詩、随筆を掲載。今号から編集長が今村さんから武村淳さんに引き継がれました。新たな同人のご参加もあったそうです。3月の合評会には「文芸思潮」の五十嵐編集長が参加されとのこと。貴重な機会ですね。

●「日曜作家」第50号(大阪市東淀川区)は小説4編と連載小説1編に加え詩、エッセイ、対談を掲載。本誌は今号で節目の50号です。大原さんが創刊され、あれから12年が経ちました。大原さんはこまめにメールを下さって、身近に感じていました。いろんなことがありました。50号を喜んでおられるでしょう。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

●「河床」第38号(福岡県八女市)は15作品を掲載。故松原新一さんのもとで学んだ方たちが22年前に創刊されたのが始まりです。創刊時のメンバーみなさんとは顔見知りなのでお名前を見ると懐かしいですし、書いておられることが嬉しく励まされもします。広田文さんの訃報は残念です。筑後地域文化誌「あげな・どげな」が同封されていました。執筆者を見ると、「河床」が地域文化にしっかり根付いているのを感じました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

●「季刊午前」第65号(福岡市博多区)は小説3編と評論、エッセイ、詩を掲載。「編集後記」(廣さん筆)によると34年前の創刊時の同人は42名。20年ほどで半減し、昨年は15名。そのうち小説を書かれる同人は更に少なくなったそうです。同じような状況の同人誌も多いのではないでしょうか。しかし当同人会にはここ1年ほどの間に小説を書かれる方4名の入会があったそうです。新しい方の入会もまた、あちらこちらで聞かれるよいニュースです。

受贈御礼 - ひわき

2025/04/09 (Wed) 12:03:04

有馬多賀子さんの著書『陸軍倉庫のあった町で -戦後80年に寄せて』を戴き、ありがとうございます。有馬さんは「海峡派」(北九州市)の同人であり、同誌に掲載された文章をまとめられた本です。今年は昭和元年から100年、敗戦から80年、著者は米寿を迎えられます。戦後の動乱を経て今に至る時間の中で記憶に残っているあれこれが綴られています。庶民がどのように生き抜いて来たかを語る貴重な資料です。
書いて同人誌で発表し、その時どきで周囲の意見を聞くことができる。書き続ける動機のもとも同人誌の存在ではないでしょうか。

伝えます kaikyoha

2025/04/13 (Sun) 19:34:10

ひわき様
『陸軍倉庫のあった町で』をご紹介くださり、ありがとうございます。
有馬さんにこの紹介文を印刷し、伝えます。ネットはほぼ見ないと思われますので。
どの章も「海峡派」に載せた作品です。まとまって本にされたことで、作者はもとより、同人一同、感慨深い思いでいます。
ありがとうございます。

訃報 - ひわき

2025/04/13 (Sun) 16:38:22

文芸同志会の伊藤昭一さんが昨年11月26日に亡くなられました。
22年前、このHPを立ち上げた時に「文芸同志会通信」の存在を知りました。当時は紙の印刷物で、会員になると郵送されて来ました。それからネット上での公開になりました。伊藤さんは毎月どれほど多くの同人誌小説を読んでこられたことでしょう。
個人で開設する、小説掲載の同人誌を紹介するサイトは、伊藤さんの「文芸同志会通信」と当方の「文芸同人誌案内」のふたつだけと思います。伊藤さんの存在は私にとって大きな拠り所であり、励ましでした。
文学フリマでお声を掛けてくださり、親しさあふれる笑顔でいろんな話をしてもらったこと、忘れません。

同人誌評 - ひわき

2025/04/10 (Thu) 14:19:25

「西日本新聞」4月10日(木)朝刊「西日本文学展望」茶園梨加氏筆
題「持ち味」
立石富生さん「終の棲家」(「火山地帯」213号、鹿児島県鹿屋市)、小河原範夫さん「移住」(「ガランス」32号、福岡市)
多胡吉郎さん「ピアニスト・ケン 謝肉祭(カーニヴァル)、仮面が泣いたモーツァルト」、鈴木比嵯子さん「初盆」(ガランス」32号)
「ガランス」は田部光子さん(筆名・ミツコ田部さん)の追悼号。「『死海文書』深紅のエルサレム」を再掲。表紙は田部さん作「林檎の表象(万有引力)」

書き込みをありがとうございます。 - ひわき

2025/04/04 (Fri) 14:54:02

「照葉樹 二期」水木怜さんへ
また、ご利用下さい。

「さくさく」坂本和子さんへ
今号も316ページの迫力です。私が受け取る同人誌の中で、いつも一番の分量です。みなさんが書き続けておられるのを頼もしく思っています。

「総合文芸誌 ら・めーる」にいなさんへ
新聞の同人誌評は貴重ですね。ありがたいです。当方のHPにストックしました。

長崎県の同人誌 - にいな

2025/04/02 (Wed) 18:18:01

令和7年3月30日(日曜日)の長崎新聞に、「長崎県の同人誌」が掲載されました。筆者は小出久記者。取り上げられている同人誌は、9冊。「ら・めえる」89号では、小説「告知」(熊高慧)は、がん告知を巡る問題を取り上げる。小説「天正遣欧少年使節・第2回」(吉田秀夫)は、喜望峰で暴風に翻弄される場面を描く。「長崎の文学碑を訪ねて」(新名規明)は向井去来の5基の句碑を紹介する。詩と批評「あるるかん」は高原かず子の詩と田中俊廣のエッセーを取り上げる。「九州文學」587号では内田ゆうこの連載小説の開始を紹介している。

お礼 坂本和子

2025/04/01 (Tue) 17:51:11

『さくさく』91号。ご紹介ありがとうございます。
なるべく多くの方に知っていただけるこのサイトにはいつも感謝しております。


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