文芸同人誌案内掲示板
同人誌評 - ひわき
2024/12/06 (Fri) 16:46:09
「西日本新聞」12月6日(金)朝刊「西日本文学展望」茶園梨加氏筆
題「長い歳月」
紺野夏子さん「ララバイ」(「南風」56号、福岡市)、今給黎靖子さん「ひこばえ」(「第八期九州文学」586号、福岡市)
江藤多佳子さん「深秋」(南風」56号)、由比和子さん「昭和四十年代初め 筑後川田園物語」(「第八期九州文学」586号)、出町子さん「森へ④」・斉藤てる子さん「矢嶋家の人々」第五章(「詩と眞實」905号、熊本市)
受贈御礼 - ひわき
2024/11/29 (Fri) 16:48:42
紹介する10誌を戴き、ありがとうございます。
●「九州文學」通巻586 2024年秋・冬号(福岡県筑紫野市)は小説9編と詩、俳句、川柳、随想、コラムを掲載。「編集後記」(不羈庵さん筆)に、開高健著『衣食足りて文学は忘れられた!?』(昭和35年、中公文庫)が紹介されています。「なぜ人は本を読まなくなったのか」との問いに対する考察です。衣食住が不充分な時は「生存を賭けた凄まじい戦いや精神の葛藤が生まれ、それが文学を生むエネルギーになっていたと思えてなりません。」と。
●「北斗」十一月號(名古屋市西区)は小説4編と短歌、エッセイ、評論、戯曲ほかを掲載。寺田繁さんが「編集後記」で日本語の言葉遣いについて書いておられます。みなさんもテレビのアナウンサーの喋りやインタビューなどを聞いて、同じ思いを持たれているのではないでしょうか。私は特に「いただきます」が気になります。甥がボランティア活動をHP上で報告する際、「海岸の清掃をさせていただきました」と書いているのを見つけて、「なぜ、しました」と書かないのかと文句を言ったら「今はこれが標準よ」と。謙譲語も敬語も丁寧語もごっちゃになっているんじゃないでしょうか。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「カム」Vol.22は5作品を掲載。創刊時からのメンバーである住田元昭さんの訃報が紹介されています。写真家でもある住田さんは創作以外にもVol.12までの表紙写真を提供されました。世界各地で撮影されたモノクロの写真は印象的で、強いメッセージを感じました。受け取る度に、しばらく眺めていました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「あるかいど」第77号(滋賀県大津市)は小説9編と掌編特集「7にまつわる13粒のスターダスト」を掲載。74号掲載の渡谷邦さん作「水路」が第18回「神戸エルマール文学賞」を受賞されました。おめでとうございます。よかったですね。この賞は近畿圏で発行されている同人誌掲載作品を対象にしています。今回の応募同人誌数は87誌、作品総数は869作だったそうです。
●「詩と眞實」No.906(2024 12月号)(熊本市南区)は小説2編と詩、随筆に加えて井上智重さんの追悼を組んでいます。追悼には同誌掲載作品一覧と6名の方がたの追悼文を掲載し、「編集後記」(今村さん筆)では寄せられたお便りを紹介しています。熊本日日新聞社を経て近代文学館館長としてご活躍の様子などが記されています。年末恒例の「詩と眞實賞」の投票のお知らせもあり、今年1年の作品目録も載っています。
●「文芸 百舌」9号(大阪市城東区)は創作5編とエッセイ、その他を掲載。同人11名のうち10名の方が投稿しておられます。本誌「カーテンコール」には同人の方がたそれぞれの思いが綴られています。日常の出来事などフィクションではない文章からいろいろな思いが伝わってきます。
●「mon」vol.22(大阪市阿倍野区)は7作品とエッセイを掲載。うち1編はゲストの方の作品です。飯田さんが送付案内に一筆そえてくれました。当HPの掲示板で知っている方のお名前を発見されたとのこと。このようなつながりを聞くと、うれしいです。どうぞ連絡してみてください。またブックカフェ店主である同人の森崎雅世さんが、「理不尽な世界で自分らしく生きる フランス発痛快ラブコメ漫画」の出版に向けてクラウドファンディングに挑戦中。締め切りは12月6日です。
●「さくさく」90号(東京都台東区)は小説22編と詩、随筆、ノンフィクションを掲載。今号は節目の90号です。坂本和子さんが「編集後記」で創刊の頃を綴られています。「当初から主催者は置かず、全て会員の合議で運営しようと決め会の名前も、会誌の名前も仲間の投票で決定」されたそうです。それから30年。今号も316ページの迫力です。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「私人」第112号(東京都新宿区)は小説8作品を掲載。「編集後記」(Iさん筆)に年齢と時間の感じ方について書かれています。「実際の時間が同じ位に感じられる年齢のボーダは19歳」という記述に驚きました。ヒトは人生の4分の3もの間、時が経つのは早いと感じながら生きていることになります。また今年も、もう師走だ、と焦る気持ちを抱きながら暮れてゆくのでしょう。
●「季刊 遠近」第88号(東京都板橋区)は小説7編を掲載。逆井三三さんの「編集後記」を読んで、いつもクスリと笑っています。この「クスリ」の妙がなかなか難しい。今回は戦争を論じ、「平安貴族は戦争は田舎者の馬鹿がやるものだと思っていた」とのこと。そうだったんだ。彼らの「最大の関心事は恋愛で、宴会をうまく回して気の利いたことを言える奴が重宝された」とも。高齢化が嘆かれる同人誌ですが、リタイアして平安貴族の生活を送っておられる方もいるのでは。最大の関心事が恋愛かどうかは存じませんが。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
和田伸一郎さんへ - ひわき
2024/11/27 (Wed) 10:24:18
「全国同人雑誌評」の書き込みをありがとうございます。
8誌をじっくり読んで評を書かれるのは、怠け者の私からしたら感心するばかり。このような地道な作業が同人誌を支えているのですね。当HPにもストックします。
全国同人雑誌協会 ニュースレター第8号 全国同人雑誌評 2024年11月 - 和田伸一郎
2024/11/24 (Sun) 16:11:47
全国同人雑誌協会ニュースレター8号 全国同人雑誌評
和田伸一郎
今回、『文芸思潮』編集部から届いた同人雑誌は8冊だった。この中には私が初めて見る同人誌が2冊あった。主に散文作品を中心に読んだ。ただし連載小説は基本的に取り上げないようにしている。全体を読まないうちは評価が難しいので。
『第八期 九州文学 2024年夏号』(福岡県)。
季刊ながら毎号三〇〇メージというボリュームは同人誌の枠を超えている。目次には詩、俳句、随想、掌編、小説、コラムと盛りだくさんだ。この中でおもしろく読んだのは、小説「星月夜」森 美樹子と「余生」佐々木信子だ。
「星月夜」(森 美樹子)はLINEの高校の同窓会グループから、今年の同窓会の集合場所の通知が来る。今は東京に住んでいる「僕」はたまたま神戸に来ていたので出向く。そこに一人の女性が立っていて二人だけの同窓会をするというストーリー。巧みな構成で、女性は「僕」を自分の思い出の場所へと案内し、やがて「僕」は阪神大震災で亡くなった弟の墓参のために来たことが明らかにされる。読み進むにつれて、それぞれの人物像が読書の前に鮮やかに浮かび上がってくる。
「余生」(佐々木信子)は、私小説風な作りで、ATMで振込めなかったため、銀行に行って「ATM振込振替制限解除依頼書」の手続きをする。銀行側はこれはオレオレ詐欺防止の高齢者対策のためだという。こうした六八歳の「衿子」の体験した救済という名目の理不尽さが淡々と描かれていく。私は20年以上前に郵便局で同人誌の印刷費を振込もうとしたら、十万円以上は身分証明書が必要だと初めて言われ、どうしてかと聞くとテロ対策だといわれて唖然としたことを思い出した。宛先を見れば一目瞭然だというのに規則だからどうにもならないと。現在では、新しいシステムに適応できないと便利になるはずの生活が途端に不便になる。地味なことだが、こうした小さなことを訴えていくのも文学の役割だと思う。
短文だが、コラム「留学生余話」(白水百合子)も興味深い。㉑「南アジア男性の長髪と髭」では、「南アジアでは、坊主頭に髭をそっている姿は囚人を連想させるそうだ。なので彼らにとっての髭と長髪は「私は健全です」というアピールだし、男性としてのステイタスと信じている。」しかし、日本のアルバイト先である食品工場では衛生上、髭と長髪はNGだから従わなければならない。そうした国際理解の難しさをさりげなく語っている。
『季刊 遠近 87号』(神奈川県)
こちらも季刊で、七三ページと薄いが同人誌評でよく見かける書き手がそろっている。同人誌で長く小説を書くという難しさ。初期、中期と書きたいものを書いてしまった後で何を書くか。プロのように依頼されて書くというわけではなく、自発的に身銭を切って書くのであるからせめて自分にとって価値ある作品を書きたい。
「てるちゃん」(平井文子)は、求職で面接に行ったら、その工務店の社長が、大阪で極貧生活をしていた幼なじみだった。こうした偶然の出会いから物語が展開していくというよくあるパターンだが、テンポよく話が進み読者を惹きつけていく。
「生きる不安」(塚越 淑行)は主人公が後に企業爆破テロで逮捕された犯人と仲良くなっていたという話で、その老年のだらしない落ちぶれた犯人像を描いているが、どこかに青年時に正義感に燃え、無謀な狂気的な犯行を実行した犯人像も描かないと読者としては物足りない。
『こみゅにてぃ120号』(埼玉県)
120号だが、私は今回初めて見る同人誌である。小説中心で、文芸評論的なエッセイもある。
小説「病棟の博士」(一乗谷かおり)は、小説というよりレポートいった感じで主人公涼子の大学附属病院勤務の日常が淡々と描かれている。ノンフィクション風な小説で、精神医療の現場を読者に提示してくれる小説だ。
「アメイジング・グレイス」三沢 充男はサスペンスめいた展開の小説である。求職中の大学生「ボク」が自分と同じ着信音を耳にする。その拾ったスマホから物語が展開する。ボクはその会社を落ちるが、拾ったスマホの持ち主には、合格のメールが届く。そこでボクは意地悪して持ち主にそのことを教えないことにした。そこへ、スマホの持ち主から名前入りで返してほしいというメールが届く。やがてその会社からボクに、枠が空いたためという理由で合格の通知が来る。入社式で、名札を見て、落ちたと思っていたスマホの持ち主に出会う。しかもオリエンテーションでその持ち主と行動を共にすることになったという展開で読者をひきつけていく。
「大正文学談義(一)尾高 修也は、中村光夫や福田恆存といった文芸評論家が軽視し、否定的だった谷崎潤一郎の初期作品に注目し、そうした作品を通して模索していたからこそ後の作品が生まれたと、その価値を再評価していて興味深い。
『カプリチオ55号』(東京都)創作五篇、エッセイ一篇。
「京都梶井基次郎航路」(塚田吉昭)は面白い試みだと興味深く読んだ。これは梶井基次郎著「檸檬」の舞台を訪ね歩くといった地誌的な評論的エッセイである。「檸檬」は百年前の京都の町中を舞台とした小説である。現在ではその面影のかけらもないことが予想される。訪ねながら、「檸檬 断片」といったものを引用しながら、本作との違いを紹介していく。
文芸評論が一般読者に読まれなくなっているらしい。こうして間口を広げる工夫が必要な時代になったということなのだろう。
次は前橋文学伝習所事務局宛に送られてきたものから二冊。
『まがね66号』(岡山県)は小説九篇に随想と詩が並んでいる。
小説「『サザエさん』が始まれば」(文月ぼたん)は、「脳性麻痺に生まれついたことで、常に不自由さが付きまとう私の人生が始まってから、もう半世紀ほどの時が過ぎた。」という書出しで、「障害者」としての幼い頃からの生活が淡々と描かれている。その文体はユーモラスティックで暗さや悲惨さは感じられない。それは「私には武器がある。もちろんその一つは、この「口」だ。(中略)更なる私の武器は、この「想像力」。そして、日々そこから生まれる「ユーモア」なのだ、と。」いうことで頼もしい。
『追伸16号』(愛知県)は、小説、戯曲、エッセイ、ライフヒストリー、ノートとバラエティに富んでいる。この中で、ノート「ピョンヤンとの時差(下)革命劇から生還した女性たち」(津田正夫)を興味深く読んだ。一九八七年の大寒航空機爆破事件の犯人である北朝鮮秘密工作員金賢姫(キム・ヒョンヒ、偽名:蜂谷真由美、当時25歳)について事件の全容を改めて検証している。「金生日は北朝鮮の人たちの存在理由であり、彼らが生きていく根拠であり、すべての価値の根源だ。」と書かれているが、現在の日本ではわかりにくい。戦時中の軍国教育に近いのかもしれない。
また、一九七〇年に起きた赤軍派学生による日航機よど号ハイジャック事件の犯人の妻が、積極的に日本人拉致に関わっていた。その妻が後に「北朝鮮は特権を持った労働党が人民を支配している独裁国家だと理解できると、労働党の庇護のもとに生活している「よど号」グループは、人民を解放する革命家などではなく、特権階級の手先でしかないということが分かってきました。」と書くようになる。その過程をつぶさに描いていて惹きこまれた。
同人誌評 - ひわき
2024/11/07 (Thu) 11:36:13
「西日本新聞」11月6日(水)朝刊「西日本文学展望」茶園梨加氏筆
題「傷」
多胡吉郎さん「ピアニスト・ケン 主よ、人の望みの喜びよ」(「火山地帯」212号、鹿児島県鹿屋市)、後藤克之さん「雨の休日」(「絵合せ」9号、福岡市)
立石富生さん「飲水思源」・野見山潔子さん「飛行機雲」(「火山地帯」212号)、矢和田高彦さん「桜花」(「文芸山口」377号、山口市)
「クレーン」和田伸一郎さま - ひわき
2024/11/07 (Thu) 11:27:25
書き込みをありがとうございます。
30年ほど前、井上光晴の「伝習所」といえば無頼だの何だの「文学」に対するエネルギーに満ちあふれた空間、と勝手な想像を膨らませていました。参加した知人からの情報は興味深いものばかり。最後の伝習所をどうぞ続けてください。
同人誌評を楽しみにしています。
『クレーン46号』の紹介ありがとうございました。 - 和田伸一郎
2024/11/06 (Wed) 10:27:45
ひわき様
『クレーン』の更新ありがとうございました。
11月下旬には、全国同人雑誌協会のニュースレターに私が書いた同人雑誌評が掲載されるので、その時はこちらでも紹介させてもらいます。
「アピ」田中さんへ - ひわき
2024/11/02 (Sat) 09:56:07
2010年11月の創刊号から送ってくださって、ありがとうございます。ずらりと並んだ15冊の表紙画像も美しいです。最初の頃と比べると掲載作品もふえて、誌の厚みも増しました。着実に発行を続けられているご様子を見られて、うれしいです。
アピ15号紹介御礼 - 田中 修
2024/10/30 (Wed) 19:31:40
毎年アピを紹介して戴き感謝申し上げます お陰様にてアピも15周年を迎えることが出来ました この15年間33名の作者がアピに寄稿しています 全国の文芸同人誌を紹介してくれる文芸同人誌案内の樋脇さんの活動はとても私たちに励みになります これからもよろしくお願い致します
受贈御礼 - ひわき
2024/10/27 (Sun) 15:25:39
紹介する11誌を戴き、ありがとうございます。
●「火山地帯」第212号(鹿児島県鹿屋市)は12作品を掲載。立石さん筆の「編集後記」で地震の報告がされています。お住まいの場所は活断層がないとのこと。しかし8月8日夕方の宮崎県日向灘を震源とする地震で5弱の揺れ。お隣の宮崎県では6弱。寺田寅彦の「天災は忘れた頃にやってくる」との言葉を引用されています。忘れようもないくらい、天災を身近に感じる近ごろです。
●「絵合せ」第9号(福岡市西区)は小説4編と詩、随筆ほかを掲載。7月28日に博多で開催された全国同人誌協会の「同人誌会議」について報告されています。他の同人誌との交流もあり、大いに盛り上がったそうです。
●「アピ」15号15周年記念号(茨城県笠間市)は小説4編とエッセイ、短歌、川柳、詩歌を掲載。15周年記念号として表紙をカラー版にされています。毎号、宇田三男さんの筑波山や筑波の風景画が表紙を飾っています。新しくおふたりの方が加わられたそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「樹宴」第27号(東京都葛飾区)は小説8編とエッセイを掲載。表紙は毎号、辰巳功さんの写真です。今号は手前に広がる白い花。蕎麦の花でしょうか、はるか遠くまで埋め尽くしています。背景は濃い緑の木々と山並み。青い空には雲が。花畑の中に立っている大木がアクセントとなって全体を引き締めています。毎号、こんな風景の中に立ったらさぞ気持ちいいだろう、と思いながら眺めています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「クレーン」46号(群馬県前橋市)は小説7編と書評、エッセイ・評論を掲載。発行日は2025年1月1日です。同誌の発行所は「前橋文学伝習所」です。井上光晴氏は全国14カ所に伝習所を創立。その流れを汲む同人誌はこの1誌だけになってしまいました。他の伝習所で学んだ方の寄稿も掲載されています。作品から、「文学」にがむしゃらに取り組んで鍛えた「背骨」のようなものが伝わってきました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「日曜作家」第48号(大阪市東淀川区)は小説1編と連載小説2編、詩、エッセイ、随想を掲載。おひとりの方が退会。そしてまたおひとりの方が新たに加わられたそうです。同人の入れ替わりはあるものの、同人誌で書きたいと思われる方がおられることがうれしいです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「飢餓祭」vol.52(奈良県大和高田市)は小説9編と「追悼 桔梗第三さんを偲ぶ」を掲載。「追悼」の夏当さんによる桔梗さん像は「シャイで可笑しく、賢く謙虚。(略)愛妻家(略)。潔癖、あるいは正義感、あるいは思いやりそれらを混ぜて、ハスキーボイスなおじさん」とまだまだ続きます。追悼を寄せられた8名の方がたみなさんが述べられているのは、なんとも魅力的な桔梗さんです。どうしてもお名前が気になりますが、謎のままのようです。そこも魅力のひとつなのでしょう。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」十月號(名古屋市西区)は小説2編と短歌、エッセイ、評論、戯曲ほかを掲載。竹中忍さん筆「編集後記」には郵便料金の値上げに関して印刷代に言及されています。ネット印刷では、校正など不充分な点も出て来ます。月刊の同誌では「少しの遅延も許されず、すべてをスムーズに運ぶ必要がある。」と記されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.905 11月号(熊本市南区)は小説2編と詩、随筆、書評を掲載。今村さん筆「編集後記」には「西日本文学展望」(西日本新聞、茶園梨香さん筆)で評された903号掲載の岬龍子さん「海を渡る」の記事が転載されています。また井上智重さんの訃報が報告され、追悼文を募っています。
●「南風」第56号(福岡市早良区)は掌編5編と小説2編を掲載。同誌は原稿の遣り取りを郵便で行われているそうです。土曜日の配達がなくなったり料金の値上げなど、郵便事情も変化してきました。利用者の減少も進んでいて、仕方ないのでしょうね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「季刊午前」第64号(福岡市博多区)は小説2編と随想、評論、詩ほかに加えて「追悼・潮田征一郎さん」を掲載。追悼では潮田さんが発表された作品目録と12編の追悼文および作品が掲載されています。私も潮田さんとご一緒していた時期があり、氏の作品が大好きでした。福岡市文学館館報でインタビューさせてもらったのも大切な思い出です。同会では読書会も行われているそうで、最近は志賀直哉『灰色の月』、高見順『草のいのちを』、中野重治『萩のもんかきや』、三島由紀夫『橋づくし』とのこと。